一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「なあ、真翔いいだろ?」
「忙しいんですよ」
そんなことを言う専務に副社長は不意に私に視線を向ける。
「松永さん、君もぜひ来ないかい? 真翔と2人で食事は無理でも、みんなで食事ならどう?」
「え!」
私はあまりにも唐突なその言葉に声を上げた。
「土曜日のお昼なんだ。都合はどう?」
少し強引な副社長の言葉に、私は言葉を失った。
土曜日と言えば真由がいる。いくら副社長からの誘いでも難しいものは難しい。
しかし、その辺の友達の誘いを断るのとはわけが違う。
天下の大村グループの御曹司の誘いを断る術が解らない。
断る言い訳を考えていると、ため息交じりに専務が声を発した。
「兄貴、本当に松永さん困ってるよ」
「でも、亜里沙ともいい友達になると思うんだ。松永さんのお子さんと。何歳だっけ?」