一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

しばらくたってから疲れが出るというのは本当かもしれない。

「ママー? 大丈夫?」

この1カ月いろいろな事がありすぎた上に、今週は本当にいそがしかった。

その週の金曜日、そんなことを思いながら私は絶不調の身体をなんとか起こした。

「うん、大丈夫」
いつもなら先に起きている私が、いつまでも起きないことに、小さいながらも真由が心配そうに私を見る。


熱はない……。
体温計の測り終わりの電子音にホッと胸をなで下ろすと私は時計を見た。
今日で、ようやくあの大きなプロジェクトが終わる。
なんとしても会社に行かなければ。

「真由、ごめんね。今日はパン食べて」
朝食をいつも通り用意する時間がないことが分かり、私はパンにバターを塗り、真由の好きなコーンスープをカップに入れる。

もぐもぐと一生懸命食べる真由のそばで、なんとか自分の準備と真由の保育園の持ち物を確認する。
< 42 / 299 >

この作品をシェア

pagetop