一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
次に目を開けると、見慣れない真っ白な天井と、消毒の匂いだった。
ああ、病院……。
「真由!!」
私はそう叫ぶと、ガバッと起き上がろうとした。
「大丈夫よ」
静かな落ち着いた声が横から聞こえて、その人は私を制止した。
「あの、私、娘のお迎えに!え? 今何時ですか?」
どれぐらいの時間眠っていたのかわからないが、確実にお迎えの時間は過ぎているだろう。
矢継ぎ早に言葉を発した私は、次の瞬間驚いて目を見開いた。
ガラガラと開けられたドアから顔を出したのは、専務に抱かれた真由だった。
「ママー大丈夫?」
自ら専務のシャツを掴み、安心しきったように抱かれている真由に、私は驚いてポカンとしていたのだろう。
「松永さん、どう調子は」
「あ……。あ。私」
専務はぼんやりしているのは、まだ体調のせいだと思ったのだろう。
「目の前で倒れてびっくりした」
そう言いながら、専務は真由の頭を撫でると、そっと下におろす。
トコトコと嬉しそうに真由が私のそばへと歩いてきて、頭をちょこんとベッドに乗せた。