一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「専務が真由を?」
「ああ、少し苦労したけど」
その言葉に、真由の男性への人見知りを思い出し、ここまで連れてくる苦労を想像する。
「ですよね、男の人に慣れていなくて」
その言葉に、専務がきょとんとしたような表情を見せた。
「いや、えっと副園長先生かな。俺には真由ちゃんは渡せないって。なんとか名刺を渡して事情を説明していたら時間がかかってしまって。真由ちゃんはお話したらすんなりと一緒にきてくれたよ。とてもいい子だ」
苦笑しながら言った専務の言葉より、私は真由があっさりと懐いたことに驚きと動揺を隠せなかった。
「そうでしたか。すみません」
なんとか言葉を発したものの、やはり血のつながりは濃いのだろうか。
そんな事を思いながら、初めて本当の父親に抱かれていた真由を思い出す。
ジワリと目尻に涙がたまり私は、そっと横を向いた。
白いシーツが雫で濡れるのを隠すように手で目を覆う。