一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
私は小さくため息を付くと、礼華さんが持ってきてくれたのであろう、置かれていた紙袋の中をのぞく。
トラベル用の基礎化粧品や、シンプルで着やすそうな服が入っていた。
点滴のおかげがかなり身体が軽くなったことに驚き、自分が知らず知らず疲れていたことに気づいた。
それにしても……。
私はシャワールームに入って暑いシャワーを浴びると、ぼんやりとそのまましばらくお湯をかぶっていた。
あんな風に専務の胸で泣いてしまうなんて。
あろうことかそのまま眠ってしまった自分が信じられなかった。
「どんな顔で会えばいいのよ」
小さく呟くも、もちろん真由を迎えに行かなければならない。
ゆっくりなどしていられないと、私はシャワーを出ると身支度を整えた。