一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
ナースステーションでお礼を言った私は、足早に病院から出た。
だんだんと濃い緑になってきた木々が風に揺られている。

私がいたのは都内の有名な総合病院で、すぐそばに駅があったと思い、そこへと向かおうと歩き出した。

しかし、よく考えてみれば副社長の家がどこかわからない。

専務に電話するしかないよね……。

そう思い私は足を止め、カバンからスマホを出そうと手を入れた。
そんな時、ロータリーに一台の高級ドイツ車が入って来るのが見えた。

誰かの迎えだろうか?
そんな高級車と縁のない私は、ごそごそとカバンの中を覗き込んだ。
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