一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「悠人さんと外よ」
「ありがとうございます。すぐにお暇を……」
迎えに行こうとすると、専務が私の手を後ろから引いた。
「お暇って体調悪い?」
何をこの人はいっているのだろう? 私は目の前に人を訳の分からない気持ちで見つめた。
「いえ、これ以上ご迷惑は……」
「またそれ?」
そのセリフに初めて見るだろう、専務のいつも優しい表情が歪んだ。
「あの……?」
理由がわからず、私はとりあえず問いかけた。
「悪い」
そういうと、専務は小さく息を吐くといつもの表情で私を見た。
「体調が悪くないならば、一緒に亜里沙の誕生日祝ってやって。みればわかるけど、二人とっても仲良くなったよ」
「でも……」
専務はそう言ってくれてもこの家の主は専務ではない。
その言葉に私はチラリと礼華さんを見た。