一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「いやだ、私はもうその気だったの。ケーキも真由ちゃんと食べるって亜里沙喜んでて……。それに聞けば真由ちゃんもついこの間お誕生日だったんでしょ? だからふたりの誕生日ケーキにしちゃった」
ふふっと笑いながら、礼華さんが冷蔵庫からケーキを出して見せてくれる。
かなり大きな生クリームのケーキにたっぷりのイチゴと、可愛らしいウサギや、犬などがデコレーションされている。
そしてその真ん中のチョコレートのプレートには「おたんじょうびおめでとう。ありさ&まゆ」と書かれていた。
「もちろん、咲綾ちゃん調子が悪いなら、上のベッドで休んでね。でも真由ちゃんはお誕生日会に参加してくれると嬉しな」
屈託なくわらう礼華さんに私は目頭が熱くなる。
真由の誕生日は私なりに出来る限りのことはしてきたつもりだった。
しかし、いつも二人で本当は寂しかった。