一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています


私はそんな思いで、真由と専務を見ていた。
嬉しそうに抱きつく真由を、専務は軽々と抱き上げる。
それを見て副社長も亜里沙ちゃんに手を伸ばした。

真由のふわりとした少し茶色の髪と、可愛く結んでもらったピンクのリボンが風にゆれる。

そんな光景にまた涙が浮かび、私は静かに少し離れた椅子に座った。

どうしてこんなことに……。
亜里沙ちゃんと真由は従妹になる。
あの4人は血のつながりがあるのだ。
こんな、こんな重要なことを、秘密にしていていいのだろうか?

幸せそうな4人に、私の心はザワザワと音を立てる。
でも、あの時の出来事を思い出せば、こんな話を聞きたいとは思えない。

言えない……。

その二つの思いがグルグルしていると後ろから声が聞こえた。
< 62 / 299 >

この作品をシェア

pagetop