一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「本当は兄貴が結婚するのは礼華ちゃんのお姉さんのはずだったんだ。祖父が俺と兄貴に先に結婚したほうを大村の次期社長にするとかいいだしてね」
なにその話? そんなことがこの時代あるのかと私は驚いた。
さっき礼華さんが身を引いたと話をしていたが、まさかそんなことがあったとは。
私は唖然とした表情で話を聞いていた。
「それで見合いをしたんだ。兄貴は。本来なら礼華ちゃんのお姉さんとね」
「どうしてそれが礼華さんと?」
ごもっともだろう私の質問に、専務はクスリと笑った。
「お姉さんが逃げてしまって、代わりに礼華ちゃんが身代わりになったんだ。でもその二人が大恋愛。まあ、いろいろあったけど、落ち着くところに落ち着いたかな。それが4年前」