一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

あの後、専務は外出の予定があると言うことで、私は簡単に仕事の内容を聞いて定時で退社した。
きちんとした仕事は明日から始まる。

まさか、こんなことがあるなんて……。
未だ信じられない思いで、私は電車に揺られたあと自宅までの道を歩いて家まで帰る。

会社から4０分の所にある1LDKのマンション。築年数は古いがリノベーションされていて内装はまだ綺麗だと思う。
都心からは離れているが、周りは住宅や公園などもあり住みやすい所だ。

家に入るとお世辞にもおしゃれとか、綺麗な家とは言えない我が家だがホッとして息を吐いた。

大村真翔。そう言う名前だったんだ。
着替えることもせず、私はリビングに置いてある小さなソファに座り込むと頭を抱えた。

「アヤ」
咄嗟サだけを取って名乗った私の名前を、甘く優しく呼ぶ声が聞こえた気がして私は頭を振った。