一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「ありがとうございました」
小さく呟いて私は車から降りると、真由の方へと回る。

しかし、すぐに専務が車を降りるとそっと真由をチャイルドシートから抱き上げた。

「家は何階?」
静かにきかれた声に、私は言葉に詰まった。

「やましいことは何もない。真由ちゃん抱いて大丈夫?」
荷物もあるため、心配してくれたのだろう。それなのに警戒したのような言葉をいってしまい、私は羞恥から矢継ぎ早に答える。

「古いですが、エレベーターはあるので。それに真由を抱いて家にいくのはよくあるので大丈夫です」
オートロックもないこのマンションだったが、一応エレベーターはついている。

「そうか。じゃあ」
そう言うと、専務は私にそっと真由を私の腕へと乗せる。
抱き心地が変わったせいか、真由が「うーん」と声をだし、二人でそのまま真由を挟んで手が触れ合ったまま動きを止めた。
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