一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
真由を保育園に送ると、いつも通りの電車で会社へと向かう。
そういえば、新しい秘書の採用はどうなっているのだろうか?
もし決まれば、新しい仕事を探さなければならないが、特に専務からは何も言われていない。
このまま一緒にずっと働くこともできないが、また新たな環境になれるのも一苦労だと思う。
それを思うと、私は知らず知らずにため息が零れ落ちる。
「大きなため息ね」
後ろからポンと肩を叩かれ、私は振り返った。
「おはようございます。それと申し訳ありませんでした」
そこには笑顔の真壁さんがいて、私は足を止め頭を下げた。
真壁さんにも金曜日は迷惑をかけたはずだ。
「体調はもう大丈夫なの?」
真壁さんはそう言うと、私の顔を覗き込んだ。
綺麗な顔がジッと私を見つめていて、同性ながらもドギマギしてしまう。