一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「いえ、だって専務にはきっと婚約者とかいるんじゃないんですか?」
私は何を言っているのだろう。
自分で言った言葉を後悔するも、でてしまった言葉はもう遅い。

しかし、真壁さんは私の質問に真剣に考えているようだった。

「そうね。あれだけの人だから、昔はあったかもしれないけど……。最近はまったく聞かないわね。専務を狙う秘書たちをことごとく振ってて、それで気まずくみんなやめたり部署替えしたり。でも松永さんとはうまくやっているようだからよかったわ」
私を見て綺麗な微笑みを向けながら、真壁さんは仕事の話を始めた。


上手く……か。

私は秘書。ただの秘書。
そう自分に言い聞かせ秘書室に入るとすぐに、秘書室長が私を見て声を掛けた。
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