一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「松永さん」
「はい」
こんな風に性急に声を掛けられるのは珍しいと、私は急いで室長のデスクの前に行く。

「専務、昨日の日曜から急遽中国入りしてね」
「え?」
中国?

私はそんな話を聞いておらず、慌ててスケジュールを確認しようとタブレットに手を伸ばした。

「いや、予定外だよ。金曜日に全部終わる予定だったけど、何かあったとかで、自分が行って対応するって」

金曜日……。

まさか!?

私が倒れたせいで、業務が滞り何かあったのではないか。
そんなことが頭をよぎる。

「あの、それで」
「急いで飛行機を取ったみたいで、向こうから松永さんのパソコンに指示のメールがはいってると思うから、急いでそれをやってくれるかい?」

「わかりました!」
室長の返事を待たず、私は自室に向かおうとしたところで、後ろから声が聞こえた。

「あっ、でも、専務からの伝言で病み上がり明けだからあまり無理を……」

「わかってます!」
私はそう声を上げると、バタンとドアを閉めた。
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