愛は惜しみなく与う⑤
でも、これが終わったから特に東堂に残る必要もないし…する事もない。
ってことは帰れる?

志木を見てみると、にこりと笑った


やった!


「新幹線まだ動いてる?」

「まだ時間は大丈夫ですよ。向こうに着くのは遅くなりそうですが」

「ほなはよチケット買わなあかんやん!」


あたしは、庶民派やから、自由席チョイスして、列に並んだりするも全然大丈夫


でも夏休みやし

乗りたい奴に乗れるかどうか…


「安心してください。新幹線のチケットは、用意してます」


19時半のチケットを渡された。
こう言う時に、ほんまにできる執事やなって思う。きっと仕事終わらんかっても、あたしだけ帰らせてくれたんやろな

そう思ったけど


渡されたチケットは2枚


「なんで2枚?」


「私のもですけど」


「え?」
「私も居候させてくださいね」



まさか


志木も?帰るの?



「あんた、東堂空けてて大丈夫なん?他にもまぁ人おるけどさ」


志木は優秀やし、東堂組との間をつなぐ役割もしてる。その重要人物がおらんなって平気?
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