愛は惜しみなく与う⑤
時間通りに新幹線に乗り、気づいたことがある



「あ!!!!サトルの手紙!!!」


あたしはアホや!忘れてた。読もうと思ってたのに、こんな大事なこと忘れるなんて!

それにあたし手紙どこ置いた?
パーティーの時の服は洗ってるし、持ってた鞄?え?


「そんな事だろうと思いましたよ」


志木は苦笑いしながら自分の鞄から、サトルの手紙を取り出した


「行く前に確認すれば、まだ見てない手紙が脱衣所に置いてあったので。持ってきました」

「さ、さすがやで、ほんまに。あたしってなんでこんな大事なこと頭から抜けるんやろ」


重要やん。中身見ようとしてたのに。
忘れてたわ


「今みましょう。私がいるときに見てほしい」

「まぁ、そうやな。志木がおるほうが…ええよな」


1人で見てまた精神的に不安定になるくらいなら、志木がいるときに見たい。
大した内容じゃないやろうけど、あたしの精神を弄ぶことはできると思うから


静かな新幹線
志木がグリーン車をとってくれたから、快適。

そんな中、あたしたちの心は少し動揺していたと思う
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