愛は惜しみなく与う⑤
正直びっくりしてるけど、どこか冷静な自分がいる。

でも婚約者がサトルと繋がってるんやし、こういうことが起こることも、しっかりと頭では考えてた。
実際行動に移されると驚くけどさ


ただ情報は吐いてもらう


「ええよ、相手してあげるわ。ちょうどあたしも、退屈してたから」


ドレスは動きにくいけど、その中でも動きやすいやつを志木に選んでもらった


やっぱりこういうことに巻き込まれるんやからさ?動きやすさって大事やと思うねん


手加減する必要もないってわかってるし、スコーピオンなら、尚更


男の鳩尾に拳を入れる
ケホケホと咳込む男は、片膝をついた


弱い。たりひん
全くたりひん。
あたしの覚悟なめてんのか

こんな緊張感と、こんなレベルじゃ、なんの運動にもならへん


捨て駒やな


「渡すもん、意識あるうちに渡しといたほうがええんとちゃう?」


あたしがそう言うと、男は苦しそうに笑って、ポケットから、何かを取り出した


それは花柄の封筒


「サトルさんから、あなたへ」


サトルさんはあなたを自分のものにするまで、諦めませんよ。ご丁寧に説明してくれる男
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