愛は惜しみなく与う⑤
いやいや、そうじゃないよな
もう前を向くって決めたから。

志木が教えてくれへんなら、自分で調べる。あたし案外そういうの得意やねんからな!


もう時間がないから


「なーなー久しぶりにさ、下の奴らの喧嘩見てやろうよ」


朔は泉の隣に座りそう言った。
下の奴らの喧嘩。そういえば最近、相手してあげれてないな


「そうしよ!完膚なきまでに、こてんぱんにやるなら、みんなの稽古つけたなあかんよな」

「完膚なきまでにって…」

あたしの言葉に泉は苦笑いをする。
いや、完全勝利がええやん?こっち無傷で、あっちボロボロで勝てば

かっこいいやん!


「ええやん!夏休み、烈火みんなで、喧嘩特訓や!」

あたしがそういうと、おーー!と声を出したのは朔と響だけ。

何も言わなかった慧を見ると

「俺も賛成だよ?」

と笑いながら言われた


そしてあたしの視線は泉に



「…わかったわかった。明日から倉庫行くか」


降参だ。泉はそう言って承諾してくれた。うわー!楽しそう!強化合宿的な!?

みんなでワイワイできるし楽しいな
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