愛は惜しみなく与う⑤
「あんたも風邪ひいたん?」


何もセットしてない泉の髪を掻き分けて、おでこを触る

特に…暑くないけどなぁ


「元気ないけど、大丈夫?」


泉の顔を覗き込めば、少しの沈黙の後に笑って、あたしの手を自分のおでこから外した


「わりぃ、元気だよ。心配かけてごめんな。大丈夫」


いつものように、ふわりと笑ってくれた。違和感はないし、ちょっと、ぼーっとしてただけかな

「しんどかったら、早よゆうてな」


夏バテになっても仕方ないくらい暑いから。今年の夏は、去年よりもずっと…暑い


その後は、志木と響が作ってくれたご飯を食べて、テレビを見た後、黒蛇の作戦会議


「私は今日はビジネスホテルに居ますので。何か用があれば電話をください」


志木が家から出ようとする
みんなこの家におるんやし、一緒にいたらええのに。仕事をするには煩いと言われた。

まぁ確かに

煩いか


「お前、岩見に顔見られてるっけ」


朔に突然聞かれて一瞬何かわからなかったけど。岩見ってあれやんな?黒蛇の新しい総長よな?


「会ったことないけど」
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