愛は惜しみなく与う⑤
「やっぱ、もういい。とりあえず変な女がいたんだ」
この話終わり。
泉があたしの手を引っ張って、話してくれていた新達から引き離す
あぁ
気になるのに
「聞かれたくないの?」
「多分聞いてもわかんねぇ」
「どういうこと?」
そういう泉の言葉で、あたしと響以外が笑った。なんやねんこいつら、失礼やな
わからへんってなに?
「泉が携帯を教室に忘れた日があって、放課後取りに行ったんですよ。それで教室に入ったら、まぁ、その女の子がですね…泉の体操服の匂いを嗅ぎながらね…」
「に、匂い嗅ぐの?なんで?」
「ほら、お前ら、杏の反応で遊ぶな。暇なら課題終わらせてこい」
泉は1番近くにいた朔を蹴飛ばした
「泉が怒ると面倒だから、俺パス」
慧は1抜け!そう言って響の後ろに隠れた。新は「好奇心が抑えられません」と謎なことを言う
なんやねん、ほんまに
「で、その子が放課後、泉の体操服の匂い嗅いで何してたん?」
たしかに泉、ええ匂いするけど
体操服から得る匂いがええんか?変わった子やな…