愛は惜しみなく与う⑤

「やっぱ、もういい。とりあえず変な女がいたんだ」

この話終わり。
泉があたしの手を引っ張って、話してくれていた新達から引き離す

あぁ

気になるのに


「聞かれたくないの?」

「多分聞いてもわかんねぇ」

「どういうこと?」

そういう泉の言葉で、あたしと響以外が笑った。なんやねんこいつら、失礼やな

わからへんってなに?



「泉が携帯を教室に忘れた日があって、放課後取りに行ったんですよ。それで教室に入ったら、まぁ、その女の子がですね…泉の体操服の匂いを嗅ぎながらね…」


「に、匂い嗅ぐの?なんで?」


「ほら、お前ら、杏の反応で遊ぶな。暇なら課題終わらせてこい」


泉は1番近くにいた朔を蹴飛ばした


「泉が怒ると面倒だから、俺パス」


慧は1抜け!そう言って響の後ろに隠れた。新は「好奇心が抑えられません」と謎なことを言う

なんやねん、ほんまに



「で、その子が放課後、泉の体操服の匂い嗅いで何してたん?」


たしかに泉、ええ匂いするけど
体操服から得る匂いがええんか?変わった子やな…
< 127 / 417 >

この作品をシェア

pagetop