愛は惜しみなく与う⑤
中身を読む勇気は今はない

とりあえずこの男、どうしようか


「聞けることがあるなら、聞き出したい」

「ええ、わかってます。ですが杏様、そろそろ会場にお戻りください。あまり長く席は開けれません」


そうやな
一応主役側やしな
あたしがおらんと母上がテンパるかもしれへんし、それだけは防がなあかん


「任せてええか?」

「はい。私もすぐ行きます」

「なんか情報引っ張って」


弱かったけど、捨て駒やろうけど、何か知ってるはず。あたしの見張りをするくらいや。

きっとサトルとはそれなりに接点がある方のメンバーのはずやから


それに、可哀想とか言われたのも気になる。なんなんやろ
鈴の話の後に、すごく不快やった


とりあえずここは志木に任せなあかん。
そろそろ如月家にも会うかもしれへん。

覚悟決めな


志木は、すぐ追いかけます。そう再び言って、あたしをトイレから出した


気絶した男
志木は一体どうするのか。あんまり考えへんほうがええ。

志木は、あたし以外にはすごく


冷酷やから


-----
< 14 / 417 >

この作品をシェア

pagetop