愛は惜しみなく与う⑤
「やぁ、兄ちゃん。新顔だな?なんの情報集めに来た?」
小太りのおじさんが近寄ってきた。
この人は…きっと新から聞いていた人ですね。1番に声をかけてくると思うと
「猫田さんですね」
「げ!なんで俺の名前知ってんだよ!」
「新の紹介でここへ来たので」
「なーんだよ。あいつの知り合いかよ!あいつの知り合い、ろくな奴いないんだから!」
あっちいけあっちいけと、手であしらわれました。ふむ。この人と軽く絡んで、場に馴染もうと思ったんですがね…
「この前のねぇちゃんも訳ありっぽくてややこしかったんだから」
「この前のねぇちゃん?」
「新のツレだってここにきた、金髪の女の子だよ。俺あの後結構大変だったんだから」
…それはきっと、杏様のことですね
一度新と2人でここに来たと。
そして…アンタレスの情報を聞いたと言いましたね。
「新にはいってねーけど、変な男に絡まれて、少しの間ここに来れなかったんだから」
「と言いますと?その辺りの話は把握してますが、あの後のことは聞いてません」