愛は惜しみなく与う⑤

「いやーーにいちゃんすげえな!俺お前のこと好きになったわ」

「それはどうも。さっそくですが、いくつか教えていただきたいんですが」


あなたに好かれても何も思わないので、早く本題に…


「あぁ、そうだったな!アンタレスの事だったな。あの日、新のツレのねえちゃんが来た日のことは知ってるんだよな?」


「はい、アンタレスと接触したんですよね。蕪木組の組長が、関西のこと嗅ぎ回ってるとかなんとか…」

「そうそう!その男は、フード被ってて顔も見せないけど、威圧感のあるやつでさ?あのねぇちゃんが何かそいつとあったみたいだけど」

「ええ。それはまぁ置いておいて。その日のことは把握してるつもりなんで、あなたが言ってた、その後のことを教えてください」


あの日に本当にサトルが居たのか、それはもうどうでもいい。
サトルが居てもおかしくないのだから。杏様の家もバイト先も把握している。

ここに来てもおかしくない


問題は


何をしに来たか

です


わざわざ来た理由があるはずです
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