愛は惜しみなく与う⑤
そう
東堂組、組長の雄作さんには



杏様が生きていることを告げた



そして
東堂組全組員が、杏様のために今動いている。


杏様にはいえません。巻き込むなと怒られてしまいますから。でも違うんですよ

雄作さんは、あなたの父のような存在です。雄作さんにとってもあなたは、大事な娘のような存在です



『杏はなんで俺を頼らなかったんだろうな』

「……頼り方が分からなかったんだと思います。杏様は…なんでも1人でやってしまう方なので。甘えれるようにしていたつもりでしたが、私達の想像以上に…」


甘やかしました
でも、本当に甘えて欲しいところでは甘えてくれない。

自分の中でブレーキをかけているんでしょうね。何か思われるかもしれないとか、迷惑かけてしまうかもしれないとか



『杏の我儘なんて、可愛いモンなのにな』


「ちょっと、泣きそうな声出さないでください。うつるんで」

『お前さっさと働け!鈴を探すんだろ?見つけたら組に連れてこい』



杏と俺たちを敵に回したことを後悔させてやる


……怖いですね
でも、私もその考えに賛同しているので。もう容赦はしません
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