愛は惜しみなく与う⑤
『お前がそうやって、自分を犠牲にして頑張っても、杏は喜ばないだろ』

その通りです
私は何度これを言われれば気が済むんでしょうかね。


『お前が1番近くにいたんだろ?杏があんな悲しい決断した時に、止めれたのはお前だけだったんだぞ』


「……はい」


『お前は杏の執事である以前に、杏の家族だろ!お前がしっかりしてないと、杏は頼れねぇだろ!』


「…はい。その通りです」


時々嫌になる。自分が
何度もあの日に戻れたらって考えてしまう。
どうして無理矢理止めなかったのか。

杏様に何を言われても

止めるべきだったのに


監禁してでも、そんな道を選ばさなければよかったのにと


『家族になるって決めたんだろ。お前が初めてココに杏を連れてきたとき……あの時のお前が1番頼りになってた』


今のお前は腑抜けだ

そう言われました。雄作さんの言葉は痛く胸に突き刺さる。その通りだとしか言えない


「杏様の家族は、私だけなのに…」


なるって決めたんだ。お兄ちゃんみたいと喜ぶ杏様をみて…何があっても守ろうと思ったのに
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