愛は惜しみなく与う⑤
そのままダラダラと家に帰り、涼しい部屋でみんなで昼寝をした。
変な感じ
耐えられへんくらいまで、精神的にきてると思ったけど、そんな事ない
ざわついた心も少し落ち着く
リビングで大の字になってみんな寝ていた。
朔は泉の足を枕にして寝ていて、途中で蹴り飛ばされていた。
朔は寝てる時もうるさい
あたしはすぐ寝るくせに、なかなか深い眠りにつけずに、目を閉じたままボーッとしてた
目の奥がズキズキ痛む
はぁ
……そろそろ病院いかなあかんな
痛む目を押さえる
そのまま少しすると、話し声が聞こえた
「ちゃんと戸締りしなよ?行ける日は行くから。うん。」
電話?
誰かに優しく話すのは慧だ
「明日は行くね。いいよ、気にしないで。俺がやりたくてしてるだけだから」
何かあったんかな
物腰柔らかい話し方は、電話の相手に対して温かい気持ちで話してるように感じる。
烈火の誰かではないな、うん
また明日。そう言って電話を終えた慧は、大きく溜息をついた
「なんかあった?」
少し身体を起こして慧をみると、驚いた顔をした。