愛は惜しみなく与う⑤
抗争開始
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慧が泣いた

誰かを好きになりたい。そう言った慧は、誰かに恋をしている顔をして居た。


不思議や

恋愛って難しいよな
自分じゃ気づけへんことっていっぱいある。


慧はまだ子供や

あたしも子供


強くなりすぎたんや。聞き分けのいい子供で、生きていくために本当の自分を押し殺して。

だから、甘えれるところが何処か分かってない


いっぱいあるのに
慧を甘やかしてくれる人達はいっぱいおる


母親の愛情ってゆうのは、とても特殊なもので、無償の愛や

でもその愛を知らないと、誰にも甘えれへん。誰に頼ったらええのかもわからへん。


慧はぐっと堪えた

我慢した
それがなくても大丈夫って言い聞かせた



あたしもずっと、ずっと、その無償の愛が欲しかった


でもそれは、志木やみのりさん、雄作さんが与えてくれた。あたしは甘えれる所が見つかった。


慧は気付いてないだけ


あたしがきっかけで、それに気付いたなら、良かったと思う。慧は、弱くない。最低なんかじゃない


素直になっていいんやで

自信がないなら、自信持てるまで、何回でも話聞くからさ
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