愛は惜しみなく与う⑤
あたしの腕の中で小さくなる慧は、本当に子供みたいやった


やっぱり親の愛情って大事やな


友達や恋人では埋まらへん何かがある。
それはあたしもわかる。

でもあたしは、早くに諦めてそして、早くに見つけたから


あたしを本当の家族のように接してくれて、温かい親の愛情をくれる人たちに



みのりさんのご飯食べたいな
雄作さんにいっぱい話聞いてほしいな


会いたいな



そして慧は好きな子がいると言った

今までずっと自分を偽って、相手に合わせて、我儘も言わなかった


だから本当の気持ちが分からへんかったんやな。ちゃんと大事な気持ちがあったのに

でも

吹っ切れた顔をした慧をみて安心したよ



そんな時だった


電話がなって慧の様子がおかしくなったのは


桜さん


慧はそう言った


そしてすぐに察した


誰かが人質に取られたと


黒蛇との抗争まであと3日


別に油断してたわけじゃない。いつ何があってもおかしくない事は分かってた。
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