愛は惜しみなく与う⑤
それでやられたら意味ないからな


「さぁ、気絶するまでやられるか、情報吐くかどっちがいい?」


ぐっ…と口を噛み締めて、倒れた男とあたし達を交互に見る男

アホやな。
なんで2人しか残さへんかってん

ただの時間稼ぎやん


しゃがむ男に慧は近づく


「ねぇ、桜さんに何かした?」


そこの声は怒りを抑えて普通に話しているみたいやけど、怒りが溢れ出てる


「た、ただ拉致っただけ…」

「ただ?ここ数日桜さんの周りうろちょろしてたよな?お前らどんだけクズなんだよ」


……
狙われてたってことやな

皐月ちゃんが帰って安心してた。
抗争決まった時くらいまで、皐月ちゃんはこっちに居たから。

それから皐月ちゃんは帰って
狙われそうな人はおらんって思ってた。

てゆうか喧嘩に人質とか、意味わからへんねん。ほんまに…やる事が汚い
「どこに連れていったん?」

「…死んでも言わねぇ」


あっそ



「じゃあ死ねば?」


足を構えた瞬間に



「わ!わ、わかった!わかったからやめてくれ!!!!」


大きな声。
うん。そうゆうてくると思ってた
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