愛は惜しみなく与う⑤
頭を抱えて小さくなってしまった
あたしも慧も男に近づく


そして



「死ね!!!!」


しゃがもうとした瞬間、男は顔を上げて手に何か光るものを持ち突っ込んできた


でもそう言った行動は読めるわけで…
勿論、慧も気付いてて


「杏ちゃんに手出すなよ」


男の手を慧が止めてくれた


ほらな。こいつら所詮こんなもんや。
隙あらば狙ってくる精神、あたしは嫌いじゃないよ

でもな

あたしら相手にして、卑怯な手使って、無事で済むとは思わんといて欲しい



「他にゆうとく事ある?」


情報をこれ以上、持ってる気はしない。こういう時に口を割れないように詳しいことは伏せられてるのかも知れない


「黒蛇が勝つ」


そう言い終わる途中で慧が男を黙らせた



「みんなと合流しよう」


そう言った慧の顔は不安でいっぱいだった。大丈夫なんて安い言葉かけたらあかんのかも知れへん。

でも



「大丈夫。みんないるから」


気休めでもいいから、少し楽になったらいいなって思う。その負担をわけてくれるなら、一緒に戦うから
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