愛は惜しみなく与う⑤
「アホやろ、手持ち花火やゆうてるやん。打ち上げてどないすんねん。何回も言うけど、何に金つことんねん!」


あかん、笑える
打ち上げ花火なんかしてたら、祭りや思って人寄ってくるやん


「とりあえず、新と連絡とってなんとかして!あたしいっぱい倒さなあかんから、忙しいねん。ほなな」


相変わらずお金の使い方が不明すぎる。
花火楽しみにしてなんやな。そこには笑ってしまったけど


「早く終わらせないと、志木さんにキレられそうだな」

泉も苦笑い


慧は、笑ってるけど、心ここにあらずって感じやった。
まぁそうよな


「ちょ、あ、杏ちゃん何してるの?」

「おま、おい、大人しくしろ」


2人が驚いてあたしに手を伸ばしてくるが、もう遅い。よいしょっと


「慧、大丈夫や。絶対!約束!」


助手席からシートベルトを外して、爆走中の車の中、後部座席へ移る

隣にいてあげな、このスピードで慧が飛んでいってしまいそうなんやもん


「杏ちゃん、危ないでしょ?」

「なんかあったら、泉がなんとかする」


おいおい…と呟く泉は、運転に集中してもらおう
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