愛は惜しみなく与う⑤
あたしが捕まるのと訳が違う。
怖いよな
代わってあげれるなら代わってあげたい
ほんまに思う
喧嘩に勝つのは勿論、1番は桜さんを見つけてあげないと…
「みろ、ビンゴだ」
泉の声がして外を見れば、黒蛇だろうか。山ほどバイクが止まっていて、そして、通り道を作るかのように
黒蛇の奴らが左右に分かれて道を開けていた
「朔、バイクで、あとから突っ込んでこい。俺らが先にいく。取り囲まれたら、死ぬ気で倒して前に来い」
『わーってるよ!怪我すんなよ』
Bluetoothで繋がった朔は、いつもと変わらぬ様子
「ふん。誰に言ってんだ?リミットは30分。それ以降は警察が来るからそれまでだ。ヤバかったら言ってこい」
『おお。早く済ませて、お前の援護に行ってやるよ』
泉は鼻で笑い通話を切った
20メートル先くらいから、黒蛇の奴らがいっぱい待ち構えている。今からここに突っ込んでいく。
「奥に、女がいるかどうか。1番に確かめろ。見つけれなかったら、誰か捕まえて吐かせろ」
「うん、わかったよ」