愛は惜しみなく与う⑤
「雑魚相手、あたし1人で充分や」

そう言うと、黒蛇の奴らは怒った顔でこっちを睨み怒鳴ってくる。でも…全員弱そうやなぁ


「はぁ、どうしてこうも気が強いのか」

「流石だね」

「つっこめーーーー!」


あたしの掛け声と共に車は急発進。

そしてあたしは、車の屋根から華麗にバク転しながら飛び降りる。
もうみんなに見てほしいわ!
この華麗な動きを!!!

ただ久しぶりにバク転なんかしたから、着地の時、足の裏がジーンとする。
いたたた


わかるやろ?あの、ジーンってなるやつ!


前を見ると、泉と慧が乗った車はもう向こうの方へ
あたし1人を残して行ってくれるって、嬉しいよな。信頼してもらってるってことや


「おい、やれ!」


周りにいた黒蛇の奴らが飛びかかってくる。でもあたしまだ、足の裏ジンジンしてるねん。

やしこんな、着地してから固まってるのに…


ガンッ



自分に向かって振り下ろされたバッドを、しゃがんだまま片手で止める

バッドを止められたことに驚いたのか、目を丸くして固まる男



「女の子の用意ができるまで、男は黙って待つもんやで?」


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