愛は惜しみなく与う⑤
車の免許は18歳なってから

だから烈火は高校卒業するまで、車に乗らないと誓っているらしい。
このご時世、無免許なんて多い

黒蛇だって、しっかりバイクの免許取りに行ってる奴なんて少ないかもしれない。

でも烈火ではそれは許されない


いや、それはわかるけど、それをちゃんと守るのも不思議


総長の蕪木先輩の教え


その総長が運転する車の中にいる女は、最近もっぱら噂になってるヤバい女

噂を聞くだけで会ったことがなかった


そして見てびっくりした


普通の女の子だったから


こんなただの女の子に警戒してるなんて、どうしてだろうか。
なぜ岩見さんも警戒してたんだろう。


俺を含め、女に会ったことなかった奴らは、そう思ったはず


けど違った


窓から身体をだして、ゆるゆる動く車の屋根の上に登る

その一連の動きをボーっと見ていた



『自らボコボコにされる日を早めて、ご苦労さんやな!』



聞き慣れないイントネーション
そして、こちらを指差して煽る言葉


腰に手を当てて車の上に立ちそう叫んだ



なんなんだ、この女は
そう思うことしかできない

煽り、俺らを見て雑魚と言った


この人数に対して、今いるのは3人だぞ?

勝てるわけない

勝てるわけないだろ?


『突っ込めー!』


女の声と共に車は急発進する。それを合図にクルリと回って地面に着地


車は総長達がいる倉庫の方へ猛スピードで突っ込んでいった
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