愛は惜しみなく与う⑤
モヤモヤしてるのを取っ払って、迎えに行くことが、今できることだろ

「…ごめん、俺。ありがとう」

「遅い。さっさとやれ」


はぁ、世話のやける。
もう大丈夫だな。
じゃあ俺はこの続きをしよう

足元に転がる男


俺の腹を殴ってきた男


「さ、素直に吐け」


見た事がある黒蛇の男。結構長い事、黒蛇にいるやつだと思う。
そして性格も知ってる


黒蛇の奴らは仲間をよく売る
特にこいつは…カモだ


「い、岩見さんはこの奥にはいない」

「ふーん。女は?」

「女?」

「人質でつれてきた女だよ」

「………俺は知らない」

嘘つくの下手かよ。なんだよその間は
黙って男を見続けると、男の汗が異常になる


「あんたらが話してた、コンテナ…に、女を監禁してる」


会話を聞こえるようにして、赤いコンテナと口にした時の、この男の反応をみていたが。

やはりそうか


「響、朔に電話しろ」


もうここにいる黒蛇の奴らは殆ど倒した。あとは起き上がってくるやつをやるだけ


「え?杏と一緒じゃないの?」


朔に電話をした響が、驚いた声を出した。
……一緒にいろって言ったのに
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