愛は惜しみなく与う⑤
目立つ真っ赤なコンテナ
黒蛇の奴らがチラチラ見るから、朔をつれて近くに来てみれば。
黒蛇の奴らが数人いる
全て片付けて入り口に手をかけるが、中から鍵がかかってるのか、複雑な鍵なのか…開く気配がない
「お前鍵あけれるんだろ?」
「…鍵穴あるやつだけや、、あけれるんわ」
入れへん
でも中におる気がする
「桜さん!待っててや!!」
コンテナを叩くが声はしない。でも、おる気がする。じゃなきゃここ、黒蛇のやつら気にかけへんやろ
「何?ここにいるのか?」
「知らんけどな!勘や!ちょっと肩車してくれへん?」
「は?何で!」
窓がある。男じゃ通れなさそうやけど、あたしなら入れる気がする
ただちょっと高いから
「おま、何で肩車…」
あたしの下で文句を言う朔
んーー
「ちょっと高さ足りひん」
「は?!?誰がチビだ!」
いや、チビとは言ってへんよ?泉くらい身長あれば届いたかもしれへんけど
仕方ない
「そこ、踏ん張って頭下げといて」
朔の返事を待たずに肩を借りた。ちょっと踏んだだけやで?お陰様で窓の淵に届いたわ