愛は惜しみなく与う⑤
あたしは、志木以外の誰とも会いたくなくて、広い自分の部屋で、引きこもり生活を始めた


学校にも行かない
食事も一緒にとらない
一切顔を見せない


そんな状態やのに、母上や周りの東堂の者は、誰一人としてあたしの様子を見にこなかった

隣の部屋の鈴は、たまに部屋の前にきたが、部屋から出てこないあたしを面白半分でみてるか、ただ志木に会いたいだけだった


そんな引きこもり生活のお供は


映画を見る事だった

そして、この家のせいで、あたしの性格は完全にスレてしまったのか、当時ハマったのは、所謂『不良・暴走族』『アングラ・裏社会』『マフィア・ギャング』

と呼ばれるジャンルの映画にハマった


その時のあたしにとっての【普通】は、東堂やった

だから、普通から自ら離れて、そしてその場所で、自分の居場所を見つける様に、胸が高まったのかもしれへん


まぁあとは単純に、ストレス発散になったんやと思う。
世の中の不良ってゆうのは、こうやって出来てるんやなって思った。

何かに反抗したい気持ちがあったんやろな



「志木!!あたし、マフィアになる!」
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