愛は惜しみなく与う⑤
「泉!!!」
大きな声がして振り返れば、コンテナの上から杏がこっちに向かってダイブしてくる。
低いコンテナって言っても、2メートルくらいあるんだぞ?
飛び込んでくる杏をキャッチしに少し走る
ポスン
「受け止めれなかったらどーすんだ」
「そん時は説教や!」
はぁ
「無事でよかった」
腕におさまった杏を抱きしめた。少し力を入れたときに、杏が痛いと言う
「怪我したのか?」
杏の身体を見てみるが、どこだ?
「いやぁ…これは自業自得と言いますか…壁よじ登って、コンテナの外にもう一回出ようとしたら、お尻から落ちた」
……はぁ
「無茶しないでくれ」
お尻なら、さすることも出来ないな。
杏は俺の顔をまじまじと見つめる。なんだ?
「怪我してないな。涼しい顔して!さっさと岩見やっちゃって」
ほら!そう岩見を指差す
そうだな。その仕事が残ってた
「待ってろ。すぐ終わらせてくるから」
志木さんは何発用意してたんだ?まだ打ち上がる花火に、少し笑いそうになる