愛は惜しみなく与う⑤

「泉!!!」

大きな声がして振り返れば、コンテナの上から杏がこっちに向かってダイブしてくる。

低いコンテナって言っても、2メートルくらいあるんだぞ?


飛び込んでくる杏をキャッチしに少し走る


ポスン


「受け止めれなかったらどーすんだ」

「そん時は説教や!」

はぁ


「無事でよかった」

腕におさまった杏を抱きしめた。少し力を入れたときに、杏が痛いと言う


「怪我したのか?」

杏の身体を見てみるが、どこだ?


「いやぁ…これは自業自得と言いますか…壁よじ登って、コンテナの外にもう一回出ようとしたら、お尻から落ちた」


……はぁ


「無茶しないでくれ」

お尻なら、さすることも出来ないな。
杏は俺の顔をまじまじと見つめる。なんだ?


「怪我してないな。涼しい顔して!さっさと岩見やっちゃって」


ほら!そう岩見を指差す

そうだな。その仕事が残ってた


「待ってろ。すぐ終わらせてくるから」


志木さんは何発用意してたんだ?まだ打ち上がる花火に、少し笑いそうになる
< 254 / 417 >

この作品をシェア

pagetop