愛は惜しみなく与う⑤

杏の過去

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「慧、今日は家にいるか？」

「え？うん。いるよ？どうかしたの？」


響も朔も家にいる。新ももうすぐ杏の家に着くと言っていた。

志木さんはあとから来るらしいから、先に話すか


「大事な話がある。新がきたら話すから」


そう言うと慧も眉間にしわを寄せて、分かったとリビングに入った


昨日家に帰ってきたのは日付が変わってからだった。
倉庫で軽く打ち上げのような…まぁ腹が減ってたからピザを頼んでみんなでパーティーみたいになった

残った手持ち花火も志木さんが全部持ってきていたから、倉庫で皆んなでやる


楽しかった

楽しかったんだけど


頭の中で岩見の言葉がリピートされる

杏をもう一度壊す


そんなこと言うのなんてサトル以外考えられないから。
時間がない


黒蛇なんかじゃ相手にならないくらい、きつい戦いになるはずだ。
対峙するその時までに、もっと強くなれるか？


そんな不安が頭を支配していた



隙を見て志木さんに今日の事を話すと、志木さんも同じように時間がないといった