愛は惜しみなく与う⑤
そしてあたしの後ろで、やってしまった。と言う顔で、毎回疲れ気味の志木


あたしは東堂組のおかげで明るさを取り戻した気がした



1番は

ずっとそばにいてくれた、志木のおかげやけどな

そんな事を思い出して、あたしは笑ってた



だって志木の青ざめた顔って、ほんまに面白いねん。ごめんって思うけどさ?

あの顔見たさに、危ない事とかいっぱいしたかもしれへん。




「鈴ちゃん?どうして笑ってるの?楽しいことでもあったのかしら」


ニヤニヤしてると声がして我に返った


危ない危ない!完璧に頭が思い出に浸ってトリップしてたわ。今は、経営計画報告会という名の、パーティーの最中やった。

記憶の中の、冷たい母上と、今ここに居る母上は、全く別人のよう


「鈴ちゃん。後1時間くらいしたら、如月家の御当主がお見えになりますからね」


鈴やもんな、いまは

って、後1時間???まだ待たなあかんの?そろそろ疲れてきたで…
ご飯もなんか、喉を通らへんというか、このドレスのせいでガッつけへんし。
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