愛は惜しみなく与う⑤
本当に大事なんだ
ここに来るのは10年ぶりくらいか
昔はよく、親父に殴られて家を飛び出して…泣くもんかと涙を堪えながら此処へ来た
家から少し離れた普通の小さな一軒家
前の奥さんと別れてから、再婚して同じ場所に住んでるって言ってたから。
アポなしなんて迷惑極まりない事はわかってる。もう夜の20時を回ってる。
杏はちゃんと家に帰れただろうか
道中もずっと杏のことを考えていた。出会ってから4ヶ月。4ヶ月しか経ってないのかと驚くほどに、濃いんだ
そんな日々を失いたくないから
きっと中には新しい奥さんも子供もいるんだろう。だから…あの時と変わってないことを祈り、小さな庭をくるりと回り、ある部屋の窓の前に
カーテンは閉まってるけど、光が漏れている
コンコン
小さくノックした
少ししてザッとカーテンが開く
「おま…何してんだ?」
その人は、驚いたような顔で、小声で話し、顔を出した
「ハザマさん。お久しぶりです。中に入れてください」
親父の組員の、強くて優しかったハザマさん。昔、俺の面倒をよく見てくれたハザマさん。
昔はよく、親父に殴られて家を飛び出して…泣くもんかと涙を堪えながら此処へ来た
家から少し離れた普通の小さな一軒家
前の奥さんと別れてから、再婚して同じ場所に住んでるって言ってたから。
アポなしなんて迷惑極まりない事はわかってる。もう夜の20時を回ってる。
杏はちゃんと家に帰れただろうか
道中もずっと杏のことを考えていた。出会ってから4ヶ月。4ヶ月しか経ってないのかと驚くほどに、濃いんだ
そんな日々を失いたくないから
きっと中には新しい奥さんも子供もいるんだろう。だから…あの時と変わってないことを祈り、小さな庭をくるりと回り、ある部屋の窓の前に
カーテンは閉まってるけど、光が漏れている
コンコン
小さくノックした
少ししてザッとカーテンが開く
「おま…何してんだ?」
その人は、驚いたような顔で、小声で話し、顔を出した
「ハザマさん。お久しぶりです。中に入れてください」
親父の組員の、強くて優しかったハザマさん。昔、俺の面倒をよく見てくれたハザマさん。