愛は惜しみなく与う⑤
しんどいなぁ


「杏様」


小声で声をかけてきた志木。ちょうど良いところで志木が戻ってきた。暇つぶしになる!!


「志木?不審者は大丈夫だったの?」

「はい、蘭様。警備員へ引き渡しましたので。御安心ください」


あいつ、どうなったんやろな?
てゆうかスコーピオンの奴とずっと同じマンションに居たと思うと、寒気するわ

だだそれで分かったこともある。


すべてサトルの思惑通りってことや。


あいつの書いたシナリオ通りに進んでる。


それが1番許せへん


「蘭様、あちらで三浦家の方が蘭様に挨拶を…と。お待ちいただいてます」


志木は少し向こうにいる、おじさんに視線を向ける。三浦家…流石のあたしも覚えてる。
三浦家は、東堂の税理士さん。

ま、それくらいの情報しか知らんけどな。

仕事のことやから、母上はシャキッとして三浦家の方へ向かった


「ほんまに呼んでたん?大丈夫?」

「蘭様が行けば、仕事の話になるでしょ」


どうとでもなります。はぁと疲れた様子の志木。そらそうや


「で、なんか聞けた?」
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