愛は惜しみなく与う⑤
「何ですか?それは」

「さっきの奴に渡された!」

「お貸し下さい」


あたしの手から手紙を取ろうとする志木を、ヒョイっとかわす

無言の圧力


「ちゃうやん!これサトルがあたしに渡すように、あの男に頼んだやつやねん」

「なら尚更!私が先にみます」

「なんでよ!あたし、こーゆうのは1番に見たい派やねん!」


どんな内容が書かれてたって、先にみたいやん。志木の反応見てから読むのは、心臓痛い


「手紙を開けた瞬間に、猛毒ガスとか噴き出たらどうするんですか?」

「アホな!そんなんでてこん!」


ちょっと大きい声でアホな!と言うと、思いっきり志木に口を手で塞がれた


忘れてた。いま人が周りにいっぱいおるんやった。危ない危ない
はぁと大きなため息をつく志木


「溜息つかんといてよ」

「溜息つかせたくないなら、その手紙を渡して下さい」

「ほな一生溜息ついとけ」


どうにかして早くこの手紙を読みたい。胸糞悪い内容が書いてあること間違いなしやろうけど!!
でも気になるやん
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