愛は惜しみなく与う⑤
慧は後ろを振り返る。すると、泉も朔も響も、そして新も志木もあたし達を見ていた


「下心があるから、触れないんだよ?」


慧は全員を…ぐるりと見渡して言った

どういうことや?


「私のことを、混ぜないでください」


新はため息
なんやなんや??


「杏ちゃん!なにかあったら相談してね!いつでも相談にのるから。あと、近いうちに…桜さんに気持ちを伝えてくるよ」


慧の清々しい顔を見て安心した。
吹っ切って、そして桜さんへの気持ちを大事にしているのがわかる


慧が言ってくれたアドバイス


未来を捨てないでって


もう自分の未来なんて決まってて、この先自分の意思で何かをする事は無いだろうって思ってた


でも慧の言葉で勇気づけられた

捨て去ってしまった自分の未来

あたしもキラキラした未来を夢見てええんかな


夢に見るくらいならええか



あたしも大好きな人ができたら、その人と結婚して、ほんで、庭付きの家に住んでBBQセットを買って…毎週日曜日には、家族でBBQがしたい

あたしの素朴な未来の夢
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