愛は惜しみなく与う⑤
変な反応をする朔をとりあえずしばいておく。
たまに、あたしには分からんというか、伝わらへん会話をされる。


「杏、慧に下心がなくなった今、杏くらいボディータッチ激しいから気を付けろよ」


「だから、何をどう気をつけるねんな…」


泉に肩に手を置かれ、訴えかけるように言われた。あたしくらいボディータッチ激しいってか?


「ゆうとくけど、泉もボディータッチ激しいからな?」


あたし的に慧より、泉のほうがボディータッチ激しいと思うけど?

そういうと、え?と本気で驚いた顔をする泉。驚くことなんか?


「俺、ボディータッチ激しいのか?」


泉は自分の両手をマジマジと見つめてる。手見たからってボディータッチを思い出すわけちゃうやろ

いや、だってさ?
頭ポンポンとか泉の方がしてくるし、何かとな?

ま、あたしに言われくないやろうけど


「とりあえず!なんでもええから、そろそろ寝ようや?ええ時間やで」


時計の針は夜中の2時を指している。あたしはバイト終わりやねん。疲れてきた。
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