愛は惜しみなく与う⑤
「まずは、志木さんにその誕生日会の出席名簿を確認してもらうことから始めましょう。今はぐだぐだ考えてもプラスにはなりません。事実に近づけそうなところから取り掛かりましょう」


ごもっともだ
余計みんな混乱した

考えれば考えるほど沼にハマる


「そうですね。明日杏様の顔を見てから、東堂に戻って確認してきます。あと皆さんにお願いしたいことがありまして…」


志木さんはゴソゴソと鞄に手を入れて何かを探している

そして、小さな袋を取り出した



「これを貴方達に託します。正直なところ、最初は…貴方達から杏様を引き離して連れて帰ろうと思ってました。

でも貴方達は…杏様の味方でいてくれて、杏様を笑顔にしてくれて。
とても感謝しております」


まるで別れの挨拶かのように語る志木さんに全員が胸をざわつかせた


「私は、貴方達を信用しています。杏様を救おうと動いてくれてありがとうございます。貴方達がいて良かったと思ってます。
あ、二度と言いませんので、今言っておきますね。そしてこれは…」


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