愛は惜しみなく与う⑤
きっと喜んでくれるのを待ってたんだろうな。だから拗ねてた


「今すぐ使います」


志木さんはスーツのベルトを外して、杏が渡したベルトをつけた

てゆうか、志木さんって22なんだな。

30半ばって言われてもおかしくないくらい、落ち着いてるから…うん。
老け顔とかじゃない。本当にオーラが…


「少し考え事をしていて、日付感覚が狂っていました。申し訳ございません。杏様?似合ってますか?」

「あたしが選んだんやし、似合うに決まってるやろ!」

「でしたね。嬉しいです」


志木さんは、杏を優しい目で見るようになった。本当に孫を見るような…
いや、例えがわからないだけど。

最初とは違う

優しい顔になった気がする


そんな2人の空気はとても羨ましく思う



自然体で一緒にいるのが当たり前。そんな関係が微笑ましくもあり、羨ましくもあり…

少しの嫉妬もある



誕生日か…


鈴の誕生日に何か起こると言った志木さん。追悼式みたいな感じになるのか?

杏は行かなきゃいけないのかな
< 338 / 417 >

この作品をシェア

pagetop