愛は惜しみなく与う⑤
「大丈夫。杏はゴリラなんかじゃないよ」


わかっとるわ!!
慰めてくれる泉の手を払う

ゴリラちゃうことは、あたしが1番わかってるわ!


「てゆうか!泉、席そこちゃうやろ?」

「ん?変わってもらった」

はぁ
窓際の席だったはずの泉は、教室の真ん中。あたしの隣の席に変わってる


あたしのもう一つの隣には朔
前には響
後ろには慧
斜め後ろに新

囲われてる


「二学期も楽しみだな」

「…はぁ。そーやな」


ため息をついたが、泉の顔を見て、自然と笑顔になっていた。泉がニコニコ笑ってたからさ


「ちょっとーーーー!そこ!熱い視線送るな!」

「うっせぇな。自習にしろや」

「くぅ!泉のバカ!自習にしてやるー!」


神田先生は黒板に自習と殴り書きして、教室から飛び出していってしまった。

あーあ
せっかくみんな揃って喜んではったのに


とりあえずテストは明日からやから、テスト勉強でもするか。
もちろん自分のちゃうで?周りのアホどもの勉強みてあげるんやで
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