愛は惜しみなく与う⑤
ええよええよ。
慧はええんやで


「んぎゃ」


あたしの手で変形する朔の顔の形
その朔は変な声を出す


「あんた、ええ加減にしいや?慧の説明は丁寧や。それで分からへんなら、あんたの頭の問題やねんから、分からへん分からへんゆうてんと、必死に頭使って、理解する努力するんや。わかったか?」


片手で朔のほっぺたをガッシリ掴んでやったら、ヒヨコみたいに唇がとがる朔

あたしの手でうまく喋れないのか、目を大きく見開いた朔は一言



「ひゃ、ひゃい」



はいって言ったんよな?
うるうるした目を見たから、手を離す


「しずかーーーに、勉強するんやで」


そう言うと、朔は頭を縦にブンブンふりまくった。よしよし


「さ、続きやろか」


おまたせ。と響の元に戻ると、響は笑って朔を見ていた


「杏はほんと、強いな!勉強してる朔ってイライラしてるから、みんなあんまり近づきたくないのに」

「そーう?大人しく、はいって返事してたで?」

「……無理矢理言わせた感凄かったけどな」


まぁいいや!ここ教えてよ!と響はニコニコと質問してきた。うん。癒しやな
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